HSPには、内向型・外向型だけではなく
HSS型(刺激追求型)と呼ばれるタイプが存在します。
繊細で刺激に敏感なのに、刺激を追求するという
一見すると真逆の特性を合わせ持つ気質です。
「好奇心はあるのに、刺激に弱い」
「挑戦したい気持ちは強いのに、すぐ疲れてしまう」
そういった揺れの中で自分をうまく理解できず、戸惑いを抱く方も少なくありません。
今回はそんなHSS型HSPさんについてのお話しをしていきたいと思います。
1. 内向性×HSP×刺激追求=HSS型HSP ⇨ 好奇心と静けさを行き来するタイプ
【①HSS型とは何か?】
HSPには、4つのタイプがあり、どのタイプにも、
DOESの基本特性が共通して備わっています。
その土台の上で、内向的か外向的かによって特徴が
異なることを、これまでの記事でお伝えしてきました。
残りの2つのタイプは、さらに「HSS型」気質を持ち合わせています。
この「HSS型」とは何かというと、
“High Sensation Seeking”の略で、日本語では「刺激追求型」と訳されます。
ここでいう「刺激」とは、
- 初めて行く場所
- 新しい人との出会い
- 新しい知識や情報に触れること
- 旅行、イベント、フェスなど
- 趣味や活動の広がり
こうした好奇心を満たす体験を指します。
つまりHSS型とは、新しい体験に惹かれやすく、好奇心が強い気質のことです。
HSS型を持つ内向型HSPさんはHSS型HSP、
HSS型を持つ外向型HSPさんはHSS型HSEと呼ばれます。
この記事では、前者のHSS型HSPについて解説していきます。
【②HSS型と外向性のちがいについて】
HSS型(刺激追求型)と外向性は、どちらも“外へ向かうエネルギー”を持っています。
そのため、HSS型=外向性?
と思われることがあります。
しかし、この2つは似ているようで、外に向かう理由が異なります。
○外向性
・人との関わりからエネルギーを得る
・社交的な刺激を心地よく感じる
→「人とつながること」そのものが活力になるタイプです。
○HSS型(刺激追求型)
・新しい体験、変化、未知の刺激に惹かれる
・人との交流が好きかどうかは、その人による
→「興味を持つことやもの」が活力になるタイプです。
つまり、
外向型=人に向かう外向性
HSS型=体験に向かう外向性
という明確なちがいがあります。
そして、HSS型HSPさんの多くは、内向型に当たります。
外向型HSPさんは、人との交流が好きだけど刺激が多いと疲れやすい
HSS型HSPさんは、新しい刺激を求めるけど刺激が多いと疲れやすい
この「求めるもの」と「疲れやすさ」のちがいが、両者の大きな特徴の差になります。
2.HSS型HSPの特徴 = 好奇心と繊細さを持つ
HSS型HSPさんは、HSS型(刺激追求)と内向型HSP(繊細さ)
両方の性質を持っています。
ここでは、その特徴について見ていきます。
【①新しいことが好きで、好奇心旺盛】
HSS型HSPさんの大きな特徴のひとつが、
新しいことへの自然な興味と強い好奇心です。
- 初めての場所に行ってみたい
- 新しい趣味に挑戦したくなる
- 気になることはすぐ調べる
- 変化や刺激にワクワクする
こうした前へ進もうとするエネルギーが、内側から自然に湧いてきます。
さまざまな体験から自分の世界を広く育てていく傾向があります。
【②刺激を求めるが、刺激に弱い】
HSS型HSPさんは、刺激を求める反面、刺激に敏感という
一見すると矛盾した気質を持っています。
しかし、これは矛盾ではありません。
HSS型の新しい刺激を求める性質と、HSPの刺激を深く受け取りやすい性質が、
両方とも働くために起こるものです。
イメージとしては、ゲームで「自分のタイプが自分の弱点でもある」
そんな状態に近いのかもしれません。
【③HSS型HSPと内向型HSPの共通点とちがい】
HSS型HSPさんは、内向型HSPさんと多くの共通点があります。
どちらもHSPの基本特性DOES+内向性を持っているため、
根本的な気質はとてもよく似ています。
ただし、HSS型HSPさんは、ここにHSS(刺激追求)が加わることで、
特徴の現れ方に少し変化が出てきます。
ここでは、DOESの4つの観点から、両者の共通点とちがいを整理していきます。
D:深い処理
どちらも物事を深く考える力を持っています。
HSS型HSPさんの方が、刺激を受けに行く行動が多くなるため
処理をする情報も増える傾向にあります。
O:刺激に敏感
どちらも刺激に敏感ですが、
・内向型HSP→刺激を避けがちで、その場で疲れやすい
・HSS型HSP→刺激を求めがちで、後からどっと疲れやすい
といった刺激への向き合い方や疲れの現れ方が異なります。
E:共感性
どちらも人の気持ちに敏感で深く寄り添います。
ただ、HSS型HSPさんは行動量の多さから
受け取る感情の総量が増えて、より疲れやすいのが特徴です。
S:些細な変化に気づく
どちらも細やかな変化に気づく力がありますが、
・内向型HSP→静かな環境での細部に敏感
・HSS型HSP→新しい環境・変化・スピードに敏感
という主だったちがいがあります。
3.HSS型HSPが抱えやすい悩み
HSS型HSPさんは、
「刺激を求めるHSS型」と「刺激に敏感なHSP」の気質を両方持っています。
ここでは、そんなHSS型HSPさんがどんな悩みを抱えやすいのかを見つめていきます。
【①疲れやすい】
HSS型HSPさんが、もっともよく抱える悩みのひとつに、
「すぐに疲れてしまう」ことが挙げられます。
HSS型HSPさんには、
- 新しいことに惹かれる
- やってみたい気持ちが自然と湧く
- 興味の幅が広い
といった、前へ進もうとするエネルギーがあります。
同時にHSPの繊細さも持っているため、色々な深い思考が働いたり、
感情や五感による刺激をたくさん受け取ったりして、すぐに疲れてしまう
「エネルギー切れ」の状態が生まれやすくなります。
そのため、「やりたい」→「動く」→「大きな疲労感」の流れになりやすいのです。
また、行動している間はワクワクが勝つため最初は疲れを感じにくいのですが、
どこか心が落ち着いてきたタイミングで、どっと疲れが押し寄せることがしばしば起こります。
【②行動力はあるのに、続かない】
HSS型HSPさんは、「行動力があるのに、続かない」という悩みを抱えやすいです。
新しいことを始めるのは得意なのに、しばらくすると別のことに興味が移ってしまい、
「なんだか続かないなあ」と感じることがあります。
HSS型HSPさんが続けにくい理由は、決して意志の弱さではなく、
体験そのものに強く惹かれる気質を持っているからです。
ひとつのことを長く続けるよりも、
- 新しい挑戦をする
- 新しい視点を得る
- 新しい経験を積む
形で大きく成長していけます。
また、興味に対する新陳代謝が活発であるため、
慣れてくると刺激が弱まって自然と興味が薄れていくことがあります。
続かない=悪いことではなく、
続かない=次の新しいステージに移っている最中
と捉えると良いのかもしれません。
【③人や環境から受ける影響が大きい】
HSS型HSPさんは、人や環境から受け取る刺激にとても敏感です。
人からは、
- 表情のわずかな変化
- 声のトーン
- その場の空気
- 相手の感情の揺れ
環境からは、
- 大きな音
- 照明の光
- 肌触りの合わない服
- 季節や気温の変化
など、微細なサインをたくさん受け取ります。
これは、HSPの持つ高い共感性や気づく力が働いているからです。
感受性が高いがゆえに、さまざまな影響を受けることがあります。
HSPは、自分と他人の感情の境界線が薄いため、
感情の面においても疲れやすいといえます。
これは、HSPのすべてのタイプに共通する悩みでもあります。
さらに、HSS型の「外へ向かうエネルギー」が同時に働くことで、
行動範囲が広がり、関わる人や場面が増えていきます。
その結果、感情の刺激が増えて疲れやすくなるという循環が生まれやすくなります。
【④自分のペースをつかみにくい】
HSS型HSPさんは、
「楽しいことなのに、あとでぐったりしてしまう」
揺れを抱えやすい気質です。
旅行、イベント、友人との時間、趣味の活動…。
心は確かに楽しんでいるのに、帰ってきた瞬間に力が抜けてしまう。
そのたびに、自分のペースを自身でつかみにくいと感じることがあります。
楽しい時間の最中は、
- 気持ちが高まる
- 行動力が湧く
- 刺激が心地よく感じられる
ため、疲れを感じにくい状態になります。
しかし、楽しい時間が終わったときや家に帰った瞬間、
HSPの繊細さが優勢になっていきます。
- 初めての場所
- 新しい景色
- たくさんの人
- 会話の流れ
- その場の空気
- 自分の感情の動き
こうした刺激をすべて丁寧に受け取っていたことに気づきます。
これは、誰よりも深く楽しめるHSS型HSPさんだからこそ、
抱える悩みなのかもしれません。
4.HSS型HSPの強み
HSS型HSPさんは、刺激を求めるHSS型と刺激に繊細なHSPという
相反するように見える性質を持っています。
そのため、日々、揺れやすさや疲れやすさを感じることも少なくありません。
でも、その奥には、かけがえのない強みが宝石のように存在しています。
それでは、その強みを見ていきましょう。
【①知識が豊富】
HSS型HSPさんは、新しいことに惹かれ、未知の世界へ自然と心が動きます。
- 初めての場所に行ってみたい
- 新しい趣味に挑戦したい
- 気になることはすぐ調べる
- 変化にワクワクする
こうした前へ進む原動力は、人生の幅を広げていく大切なエネルギーです。
HSPの繊細さだけでは出会えなかった世界に、
HSS型の好奇心がそっと扉を開いてくれます。
そして広がった自分の知見が、HSPの感受性によってさらに深い体験になります。
HSS型とHSPは、「広げる力」と「深める力」とも言い換えることができます。
- 好奇心が豊かなので、広い分野に関心を持てる
- 感受性が豊かなので、誰よりも深く感じ取れる
この両方を兼ね備えていることが、HSS型HSPさんの唯一無二の大きな強みです。
【②高い共感性】
HSS型HSPさんは、物事だけでなく、人の気持ちの細やかな揺れまで
そっと感じ取れる高い共感性を持っています。
そのため、
- 人の気持ちを大切にしながら動ける
- 相手の立場を考えた行動ができる
- 周囲の空気を読みながら場を整えられる
など、やさしさに満ちた行動が自然と生まれます。
HSS型HSPさんは、内向型HSPと同じくエネルギーの向きは内向きで、
人前に積極的に出ていくタイプではありません。
それでも、相手の気持ちを深く考えられるからこそ、
必要なときにそっと寄り添い、支える力に長けています。
派手では無いけれど、静かに、確かに、人を温めるような存在感。
それが、HSS型HSPさんの持つ大きな強みのひとつです。
【③想像力&創造力が群を抜いている】
HSS型HSPさんは、
- 新しいものに惹かれる(HSS)
- 深く考える(HSP)
この二つの性質が同時に働くことで、
独自の視点やアイデアを生み出す力を持っています。
- 何気ない出来事から深い意味を見つける
- 他の人が気がつかない視点を拾い上げる
- 感性を使って物事を言葉や形にする
- 経験を独自の世界観として表現する
こうしたものが、創造性の源になっています。
5.HSS型HSPが楽に生きるためのヒント
HSS型HSPさんは、好奇心と繊細さの二つを同時に持っています。
そのため、日常の中で両面が引き合うように働いて、揺れや疲れが発生しやすくなります。
しかし、その豊かさが大きい分、強みもたくさん持ち合わせていることを
前の章まででお伝えしてきました。
この章では、HSS型HSPさんの心をぐっと楽にするために、
自分らしく生きるためのヒントを4つご紹介します。
【①刺激量を調整する】
HSS型HSPさんは、
「刺激を求める気質」と「刺激に敏感な気質」が
2つとも働くため、刺激の量を整えることが大切になってきます。
- 予定を詰め込みすぎない
- 人混みの前後に静かな時間をつくる
- 新しいことはひとつずつ
- たくさん行動した日は、夜をゆっくりと過ごす
刺激をゼロにする必要はありません。
むしろ刺激はあなたの好奇心を満たし、世界を広げてくれる大切なエネルギーです。
大事なのは「ちょうど良い量」を自分のペースで見つけていくこと。
そのバランスが整うほど、心は安定します。
そして刺激の許容量は、日によって変わっても大丈夫。
体調や気分に合わせてその日の自分に合う量を選ぶことが、
やさしいセルフケアになります。
【②休息するラインを設定する】
HSS型HSPさんは、楽しんだあとに疲れを感じやすい傾向にあります。
そのため、自分の中に「これ以上まで来たら必ず休む」といった
休息ラインをあらかじめ設定しておくことで、疲労とやさしく向き合うことができます。
- ライブに行くのは月○回まで
- 夜はゆっくりと過ごす
- 一日の中でひとり時間を確保する
など、静かに過ごすひとときを意識的に取り入れると、
動きたいときにより一層楽しむことができます。
予定には余白をちょっと多めに入れることがポイントです。
その余白が、心と体をふわっと支えてくれるクッションになり、
日々がぐっと楽になります。
【③人との心地よい距離感を維持する】
HSS型HSPさんは、行動量が多い分、人との関わりも自然と増え、
その中で感情の刺激を受けやすくなります。
そのため、知らないうちに心がいっぱいになってしまい、
メンタル面に影響が出てしまうこともあります。
だからこそ、人と関わる時間と一人で回復する時間のバランスが
重要になってきます。
適切な距離感で人と関わることや、
自分の中で多めに休息時間を取ることは、
HSS型HSPさんにとって大切なセルフケアのひとつです。
【④続けるよりも楽しむことを重視する】
HSS型HSPさんは、新しいことを始めるのが得意です。
その一方で「続けなきゃ」と感じると、プレッシャーがかかりやすくなります。
そこで、
- 続かなくても責めない
- 「今の自分に合うもの」を選び直す
- 興味が移るのは自然なこと
- 楽しむことを目的にする
こうした視点を持つことが、心を軽くしてくれます。
HSS型HSPさんにとって、興味が移るときは、新しい何かを発見したときです。
「続ける、続けない」という軸よりも、
「深く味わって楽しめているか」
という軸を優先してみましょう。
心が動く瞬間を大切にすることが、HSS型HSPさんにとって自然で、豊かな生き方に
つながります。
6.HSS型HSPとの向き合い方
HSS型HSPさんは、好奇心と繊細さという二つの力を同時に持っています。
そのため、日常の中で揺れやすさと疲れやすさが生まれ、
「どう扱えばいいのだろう」と自分自身に戸惑うこともあるかもしれません。
これは、あなたの中にある豊かさが静かに動いている証でもあります。
大切なのは、性格を変えることではなく
やさしく理解し、自然な形で寄り添っていくこと。
ここでは、HSS型HSPさんが自分の気質と穏やかに向き合うための視点を
4つに分けてお伝えします。
【①自分の強みを知り、活かせる環境を選ぶ】
HSS型HSPさんが、この気質と向き合う上で大切なことのひとつが、
自分の強みを知り、それを活かせる環境を選ぶことです。
HSS型HSPさんの大きな強みは、
- 好奇心が豊か
- 深く味わう力がある
- 創造力が高い
という、広さと深さ合わせ持つところ。
そして、
- 人の気持ちに寄り添える
- 変化に気づく力がある
- やさしさが自然とにじむ
といった、感情面の繊細さにあります。
これらの長所は、自分に合う環境を選ぶための大切な指針になります。
HSS型HSPさんは、刺激が強すぎる場所や感情の負荷が大きい場所では、
本来の力を発揮しにくくなります。
逆に、
- 自分のペースで進められる仕事
- ひとりの時間を確保できる暮らし
- 感情の刺激が少ない人間関係
- 創造性を活かせる活動
- 無理に競争しなくていい場所
こうした環境下では、HSS型HSPさんの「広さ」と「深さ」が
自然に息をし始めて、驚くほど自然に力が発揮されます。
HSS型HSPさんは、環境を変えることに罪悪感を抱きやすい傾向があります。
でも本当は、
- 自分に合う場所を選ぶ
- 自分の強みが活きる環境に身を置く
- 無理のない距離感で人と関わる
これらは全て、自分を大切にする誠実な選択です。
逃げではありません。
あなたがあなたらしく生きるための、静かな一歩です。
- 強みを知る
- 自分に合う環境を選ぶ
- 無理のない距離感で暮らす
この3つが揃うと、HSS型HSPという気質は生きづらさではなく
生きやすさへと静かに変わっていきます。
【②気質を矛盾ではなく豊かさとして受け取る】
HSS型HSPさんは、
- やりたいのに疲れてしまう
- 行動力があるのに続かない
- 人と関わりたいのに疲れやすい
- 楽しいのに、後でぐったりする
などの悩みを抱えやすいことから、
自分の気質を矛盾していると感じやすい傾向があります。
しかし、これは矛盾ではありません。
やりたい気持ちがあるのは、あなたの中にあるHSS型の好奇心が動いている証。
疲れてしまうのは、あなたの中にあるHSPの繊細さが丁寧に働いている証。
どちらもかけてはいけないあなたを形づくる大切な一部です。
この二つの性質は、お互いを邪魔しているのではなく、補いながら物事を立体的にしています。
だからこそ矛盾していると感じたときは、
「これは矛盾ではなく、私の中にある豊かさが同時に動いているだけなんだ。」
と捉えてみてください。
そう思えるだけで、心が軽くなります。
7.HSS型HSPさんへ、夜灯からのメッセージ
HSS型HSPの気質は、扱い方が難しいように見えて、
本当はとても優しく、豊かで温かいものです。
あなたがあなたを理解し、
あなたに合う環境を選び、
あなたのペースで歩むことができたとき、この気質は静かに花開いてきます。
揺れながらも迷いながらも、責めず急かさず、
自分を大切にする選択をしてあげてください。


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